労働基準監督署から呼び出しがきた場合の対応

投稿日:2014/07/25 最終更新日:2014/11/06

会社に労働基準監督署から出頭の通知がきました。

賃金・労働時間等の実態調査について と書かれた、○月○日出頭要請が書いてあります。

さて、会社としてどういった対応をとっていくべきでしょうか?

労働基準監督署調査の流れ

1、定期監督か申告によるものなのか?(たまたまランダムな調査に当たってしまったのか?内部告発によるものなのか?)
まず見極めたうえで、経営に与える影響を検討します。

例えば、未払い残業代があるのか?あるのならば、支払いはいくらくらいになるのか?全社員に波及したらいくらかなどです。

2、監督官の呼び出しに応じる~担当監督官と面談となります。面談では法令順守の意識を高める方向性で、監督官の指示には(勿論主張すべきは主張が必要です)従いましょう。法令違反がどれほどあるかの程度によりますが。

3、監督官からは通常 是正勧告書(訂正しなさい)や指導票が出されます(両方又は片方のみの場合もあり)。それに準じて見直しをかけていきます。

4、特に指導票は名前のとおり、法違反ではないのですが変えていった方が望ましいという意味で出されますので、最終的に何ヶ月か報告などが必要となります(3ヶ月~6ヶ月程度定期的な報告といわれる場合あり)。

定期監督と申告監督の違い

投稿日:2014/07/25 最終更新日:2014/11/06

労働基準監督署の調査は、その年に特に監督を強化したい業種などで行う「定期監督」と、社員の申告がきっかけとなって行われる「申告監督」があります。

定期監督は、例えば飲食店とかIT関係とか、長時間労働になりやすい業種を選んで、その年度や期間に調査対象としていくものです。地方労働行政運営方針などでも、その年の目的を決めていきます。
ただし、実際は申告をきっかけとした調査が一般的に多いかと思います。

今はメール一本でも申告ができる時代になりました。

厚生労働省のHPに、このようなものもあります。

労働基準関係情報メール窓口

ただし、労基署が動くかは別問題です。悪質の度合いや申告の多さにより、順番に確認となります。

いずれにしても、インターネットが普及してから、以前より気軽に相談や申告ができるようになったということです。

労働基準監督署の調査は意図を知ること

投稿日:2014/07/25 最終更新日:2014/11/06

労働基準監督署の監督官が会社にやって来た場合、呼び出し状が会社に届いた場合、まずそれが「定期監督」なのか「申告監督」によるのかを見極めて対応を考えることが大事となります。

監督官の訪問の意図と目的を知ること

定期監督・・・その年度の計画により、労働基準監督署が任意に調査対象を選択し、調査をするものです。今年はこういった業種など、任意に選定していきます(例えば飲食店など、労働時間が長いとみなされている業種は対象になりやすいです)。

通常立ち入り調査ではなく、会社が必要書類を持参して労基署に出向くのがほとんどです。

申告監督・・・労働者からの告発があった場合(労働者が労基署に申告した場合)に、その申告内容を裏づけするために行う調査ということになります。

 

確定的には言えませんが、監督官から訪問したいと突然連絡があったり、いきなり事業場に訪問したりした場合、ほぼ申告となります。それも悪質と判断されている可能性があります。

 

別段、どちらの調査ですか?と、監督官に聞いてしまってかまいません。

誰が言ったとかいうのは勿論教えてくれませんが、申告があった旨を教えてくれる場合もありえます。わかったからと言って本人に追及などできませんが、当然申告の方がより厳しく調べられることになります。

労働基準監督署の調査で持参する書類

投稿日:2014/11/05 

労働基準監督署の調査で、通常用意して持参する書類があります。

勿論、案件にもよるので事前に持参の必要がある書類は記載してあります。

以下の書類は法律(労働基準法など)でも設置が義務付けられているものです。

労働基準監督署に提出する書類

  1. 労働者名簿
  2. 労働条件通知書(雇用契約書)
  3. 賃金台帳(給与、労働時間、出勤日数等の記載)
  4. 出勤簿かタイムカードなど出勤記録
  5. 就業規則(10人以上の事業所)
  6. 時間外労働、休日労働に関する協定届け(通称36協定サブロク協定)
  7. 1年単位の変形労働時間制の協定など(ある場合)
  8. 健康診断個人結果票(診断記録など)
  9. その他(案件に応じて)

上記の書類に関して備えていない場合、労働基準監督署から呼び出しがあった後でも仕方ないので、なるべく作成してください。

ない場合、どちらにしても是正勧告又は指導票で作成をするように指導されることになります。

上で書きましたが、上記の書類は労働基準法などの法律で備え付けが必要な書類です。

労働基準監督署は、法律違反の場合に是正指導などを行う形なので、上記の書類は少しずつでも備え付けて行くようにして下さい。

労働基準監督署の権限

投稿日:2014/11/05 最終更新日:2014/11/06

労働基準監督署から通知・是正勧告があった場合、無視するとどうなるでしょうか?

例えば、警察官は犯罪者を捕まえるわけですが、刑期の長さは裁判所が決めます。
また、犯罪で損害を負ったにしても(例:窃盗や障害など)、警察官が損害賠償を請求してはくれません。

労働基準監督署も考え方は同じです。

例えば、従業員が監督署に残業代の未払いがあると申告したとします。
監督官は(程度の重さにより、会社に電話等で連絡又は会社に調査に行き)、通常是正勧告という書類を出します。

この是正勧告を無視した場合でも、労働基準監督署は未払いの残業代を会社に「むりやり払え」と強制することはできないのです。
もっと言うと、それを強制できるのは民事上の合意か、差し押さえなどの裁判所による強制手段が必要になります。

法律的に違反があるかどうかの行政指導であり、民事不介入(強制的に払わす行為)ということです。

 

ただし、是正勧告を含めて全てを無視すると、検察に送致され犯罪者になる可能性がありますし、その後マークされるのも現実的ではないと思います。

ですので、会社の主張は主張として、是正勧告にはある程度のところで応じるという姿勢が大事かと思われます。

労働基準監督署の呼び出しを無視できるか?

投稿日:2014/11/06 

よく質問を受けます。会社から、労働基準監督署の調査は拒否できないのかと。

無視又はシカトですが・・・誠に残念ながら調査の拒否はできません。

調査を無視できない理由

法令上、労働基準監督署の監督官には、強制的に会社に立ち入り調査ができる強い権限が与えられています。更に悪質な場合、書類送検などをすることもできます。

労働基準法等の労働関係法律において、労基署の監督官は、部分、司法警察官やマルサと同じような職権をもっていると考えておいた方が無難です。
そもそも、労基法は刑法とイコールです。だって、罰金などの罰則がありますので。

言い方はキツイですが、あまり無視すると犯罪者になりえるということです。

 

もし社長や担当者が不在の場合、それ以上調査をするかどうかは、監督官の考えや事例の内容(証拠隠滅の恐れなど)によります。

ある程度調査には協力しつつも、会社の言い分がある場合主張するという体裁をとることをお薦めします。

(参考:労働基準法 監督官の権限一覧)
第101条(労働基準監督官の権限)
労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができる。

第104条の2(報告等)
行政官庁は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、使用者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。
2 労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、使用者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる

第120条  次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
4 第101条(~)の規定による労働基準監督官又は女性主管局長若しくはその指定する所属官吏の臨検を拒み、妨げ、若しくは忌避し、その尋問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をし、帳簿書類の提出をせず、又は虚偽の記載をした帳簿書類の提出をした者

 

是正勧告書を無視するとどうなるのか?

投稿日:2014/11/10 最終更新日:2016/06/06

労基署の監督官が会社に調査にきて、「こりゃ問題あるわ」ということになると、指導票か是正勧告書を出します。

この是正勧告というのが、法的定義があいまいなところもあります。

是正勧告はあくまでも行政指導である

行政指導というのは、指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいいます。

要は強制力はないということですよ。あくまでも任意の協力という位置づけになります。
逆に不服があっても処分ではないのですから、その後行政不服審査法に基づく不服申立て(異議申立てや審査請求)や行政事件訴訟法に基づく抗告訴訟を行うこともできないとされています。

つまり、行政指導はそもそも処分とか強制ではなく任意的なものであるので、強制的に従うものでもない面もあります。

 

労働基準監督官を無視してもいいのか?

しかし悪質な場合、監督官は(従わない場合や、何回も繰り返す場合)、書類送検などを行うことができることを忘れてはいけません。

つまり、是正勧告自体に強制力はないけれど、法違反が明確にある場合、労基法(及び関連の周辺法)に関して監督官は司法警察官と同じ公権力を有していますので、逮捕なども可能となるということですね。

ですから、最終的に、違反であった部分は前向きに訂正していく形で従業員と民事的な話し合いである程度の落としどころで話をまとめていかなければならないということです。

結局、最後はこれにつきます。トラブルがあっても話しあいができるような職場環境を構築していくこと。

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