解雇予告手当の支払は必要か

投稿日:2014/10/24 

使用者(会社側)から、従業員に解雇を告げる場合1ヶ月前(30日前)に行うことが必要です。また、1ヶ月前に言わないで即日解雇ならは、解雇予告手当の支払が必要になります。

これは何となくご存知ですよね(ちなみに30日前に言ったから解雇なんてできません。判例上、かなりの正当事由が必要になるからです)。

解雇予告手当と試用期間

またこれは試用期間中も同じです。つまり、試用期間が満了したときに解雇する場合、試用期間満了の30日前には通知する必要があります。

解雇予告手当を支払わなくてもよい例外があります。

  1. 日々雇い入れられる者で1ヶ月以内の雇用の者
  2. 2ヶ月以内の期間を定めて使用される者
  3. 季節的業務に4ヶ月以内の期間を定めて使用される者
  4. 試用期間中で14日以内の者

以上の4つの場合、解雇予告手当の支払は必要ありません。

問題になりやすいところは、辞表・退職届けなどが出ていても、従業員側から実態は解雇であったとの主張がある場合などです。例えば給与を下げる旨通知し、承諾しなくて退職をした場合などです。

この場合、辞表は勿論のこと、退職に関しての合意書(後で異議は言わないなど)などを作成しておくのが第一です。

解雇予告除外認定

従業員に解雇事由があって会社が解雇した場合、当たり前のようではありますが、解雇予告手当は必要ありません。しかし、この従業員に解雇事由があったというのを主張・立証するのはなかなか骨が折れます。

刑法犯罪は比較的認められやすい方向です(ただし、出来心レベルは難しい)。

ものの本によると、労働基準監督署の解雇予告除外認定を取れば、解雇予告手当の支払いは必要ないと書かれています。ただし、これはほとんど出ることはありません。

なぜかと言うと、相手の言い分を聞いて判断となるからです。相手が「僕が悪いことをしたので、解雇は仕方ないと思っております」なんて言う訳はありませんので。

ですので、実務上はほぼ出ないと思ってください。結局無断欠勤で出てこないとか、使い込みをしたとかの場合、状況によって従業員の責と認定するという感じです。

再雇用と勤務延長の違い

投稿日:2014/10/22 最終更新日:2016/09/14

定年の引上げと継続雇用制度の違いはご存知ですか?

以下の3つの内、どれかの制度を導入する必要があります。平成25年からは「65歳まで」が義務となります。

定年の引上げか継続雇用か

  1. 定年の引上げ
  2. 定年の定めの廃止
  3. 再雇用か勤務延長制度の導入(これを総称して継続雇用制度)

3番の継続雇用制度は、正確に言うと2つの種類があります。

1、再雇用制度・・・定年年齢で一旦退職 → その後新たに雇用契約を結ぶ。
2、勤務延長制度・・・今までの雇用契約を終了させることなく雇用を継続(60歳前とは違う労働条件でも問題なし)。

再雇用と勤務延長の違い

主に退職金と社会保険料が違ってきます。

【退職金】

退職金について会社との雇用関係が続いている状態で支払われる退職金は、税制上恩恵が大きい「退職所得」ではなく「一時所得」となる可能性があります(※退職金規定の内容等により見解もわかれるようですが)。

【社会保険】

勤務延長で給与がダウンした場合、社会保険の資格はそのままで、社会保険の保険料は随時改定となり、4か月後から下がります。

再雇用制度で給与がダウンした場合、一旦退職し翌日から再雇用となりますので、給与が下がった月から保険料も下がります。

これは大きな違いです。

勤務延長は、昔定年が55歳とか60歳だったので、そのまま勤務を延長するという意味で作られた規定で、現在定年年齢にしても継続雇用にしても、65歳まで雇うようにしてくれという法律になっていますので、勤務延長を選択する意味はあまりないかと思います。再雇用制度にした方が何かとわかりやすいですし無難です。

賞与と在職老齢年金

投稿日:2014/10/22 最終更新日:2016/09/14

賞与が在職老齢年金に影響することをご存じですか?

賞与と厚生年金が減額

定年後再雇用→給与額を下げて在職老齢年金を受給できるように調整する際、計算に過去1年間の賞与額が大きく関わってきます。

60歳代前半の在職老齢年金は総報酬月額相当額基本月額との合計額が支給停止調整開始額(28万円)を超えるときにその月の老齢厚生年金について、調整が開始されるとあります。

要は、年金と給与を足して28万円を超えると調整がかかるということですが、総報酬月額相当額に賞与の額が大きく関係してきます。

【例】
老齢厚生年金額:1,200,000円(1月あたり 100,000円)
現在の給与(交通費含む):200,000円(標準報酬月額200,000円)
60歳時の賞与(春夏2回分):900,000円

この例の場合、総報酬月額は20万円+賞与:7万5千円(90万円÷12)=27万5千円となります。

せっかく年金を受給できるように給与を下げたとしても、賞与の額が多すぎて思ったよりも貰えないということになってしまいます。

60歳以上の働き方と年金の関係

投稿日:2014/10/22 最終更新日:2016/09/14

60歳で定年を迎える会社がほとんどだと思います。現在65歳まで継続雇用等で雇用を続ける形になっておりますが、現実的にどう働けばいいのでしょうか?会社の対応は?

貰える年金が在職老齢年金で調整されるのは、あくまでも62歳以降も会社で厚生年金に加入して働く場合です。

例えば、週の所定労働時間が40時間の会社であれば、働く所定労働時間をおおむね30時間未満にすれば、厚生年金に加入する必要はありません。

また、自営業やフリーで働く場合も厚生年金に加入する必要はありません。

ただし、厚生年金保険に加入して働いた場合、退職後に62歳以降に働いた年金分が、今の年金にプラスされますので全て損というわけではありません。

 

60歳以上の方の継続雇用を行う場合、どうしても会社全体の人件費向上の問題があります。

現在、65歳までの継続雇用が義務付けられておりますのが、あまり低賃金にする場合、会社イメージの低下や従業員のモチベーション低下になります。

といって、若い世代が上の世代に関して閉塞感等を感じる→これもモチベーションの低下となります。

 

結局、60歳以上の従業員に対して、今までの貢献度を考慮し年金等(給与が高いと年金が減らされるため)を考えて最適な給与設計をしていく必要があります。

高齢者の年金と給与最適な設計:ご希望とご相談はこちら

定年後も働いた場合の在職老齢年金

投稿日:2014/10/22 最終更新日:2016/09/14

60歳以降も働くと年金額はどうなるのでしょうか?60歳以降は給与をどのようにすればいいでしょうか?

※現在、新規の年金の受給は62歳からとなります(平成28年現在)。

 62歳以降も働いた場合の年金調整(在職老齢年金)

定年後も通常の従業員として仕事を続ける場合、厚生年金の被保険者として保険料の支払いは続きます。一方62歳を過ぎると、生年月日によって報酬比例部分の年金支給がスタートします。

つまり、62歳以降厚生年金に加入しながら、老齢厚生年金を受け取る状態になるのです。

その場合、その年金は在職老齢年金となり、給与と年金月額の合計額によって、年金が一部支給停止になります。

報酬と年金の両方では、手厚すぎるということで一定の調整を行うのです。手厚いかどうかは?ですが、調整が入るものは仕方がありません。

 

計算の元となる年金の基本月額は、本来もらえる老齢厚生年金から加給年金を除いた金額を 12分の1 にした金額です。

つまり、年金の月額です。 給与については、毎月の標準報酬月額に、過去1年間の賞与の12分の1を加えた金額です。過去1年内のボーナスも計算の前提に入るところが注意点。

年金が調整される計算式は複雑になりますが、大雑把に言うと61歳~64歳の間は毎月の年金額と「給料+ボーナスを足した1/12の給与」が毎月28万円までであれば年金は全額支給されます。

28万円を超える場合、その超えた分の半分が毎月の年金額からカットされると考えて下さい。

例えば、年金と給与との合計額が32万円であれば、毎月年金額が2.0万円カットされます。

また、65歳以上の場合、合計額が46万円以上の場合、カット対象になります。

カットされた分は消えてなくなります。後で戻ってはきません。

妥当な休職の期間

投稿日:2014/10/21 

会社で休職期間を設ける場合、どれくらいの期間が妥当なのでしょうか。

手元に就業規則があれば、定めてある休職の期間を確認してみましょう。
休職期間はどのくらいになっているでしょうか? 1年? 1年6か月?? 2年???

休職でお休みしている間は「社会保険料が免除になる」といった制度はありません。
休職期間中は本人はもちろん、会社も社会保険料を払い続けなくてはなりません。

これ、半年とかたまると結構払えないですよ。20万とか30万になりますので。

勿論、長年会社のために頑張ってくれたし、そういった損得はともかく何とか復帰してもらいたい!! という場合もありえるでしょう。

しかし・・・。逆に入社したばかりで、直ぐに休職するというケースも起こりえます。

その場合どうしましょう。クビ?にする。これは難しいのです。

休職期間の設定

対応策として例えば、休職期間は勤続年数でわけてはどうでしょうか?
勤続期間が1年未満の場合、1か月程度の規定にするのが妥当と思われます。

休職期間満了後は自然退職という規定を設けることが多いことから、休職を解雇までの猶予期間と考えた場合、少なくとも1か月間は必要と思われます。

勤続年数が長い社員に対しても、最長で6か月程度とし、その後は延長できるような規定を設け対応しましょう。

最近は「うつ病」で休職になるといったケースが多いのですが、かなり長引くケースが多くなります。結局は退職に至る場合が殆どですが、1ヶ月や2ヶ月で治りませんので。

また、特に精神の病は繰り返される場合も多くなります。

このように何度も休職を繰り返す社員に対応するために、復帰後一定期間内に同じ又は類似の事由により欠勤した場合、同一傷病として休職を命じ、休職期間を通算することなどの明記が必要です。

 

必ず現場で対応できる規定にしておきましょう。

整理解雇を後で無効にはさせない

投稿日:2014/10/20 最終更新日:2014/10/24

整理解雇を行うとき、手続の妥当性が非常に重要視されています。
従業員との説明・協議を誠実に実行しろということですが、もし他の要件を満たす場合であっても誠実さが足りないと認定されると、無効とされるケースも多くあります。

整理解雇を実施することの必要性や、その時期、方法、選定基準など具体的事項について協議・説明する必要があります。

必ずしも従業員との同意を求めることまでは要求されているものではありません。ただ、理解を得られるように誠意をもって、何度も協議することを求められます。感覚的には、5回~10回程度は必要でないでしょうか(過去の判例でも13回だと有効とみる等があります)。

 

最終的に、どれだけの時間をかけて何回説明し、どのような代替案があったかなどが重要になります。

 

解雇日の6日前に突然リストラの通告をし、希望退職を募るなど何もしなかったとして整理解雇無効となった事案(あさひ保育園事件 昭和58年10月27日)

解雇対象者の人選は正しいのか

投稿日:2014/10/20 

整理解雇は、基本的に何人かいる従業員の中から、一部をリストラするわけです。

ですので、その対象者の選定については、客観的・合理的に公平な基準が必要となります。

出勤率・服務規律率などの勤務成績全般、整理解雇による不利益の程度などで基準を設けます。人選の基準が合理的なものであり、具体的実際の人選も合理的かつ公平でなければなりません。

基準を設け、公平にしないと駄目だが、どうしても残ってほしい人材を選択できる余地は当然ありえる。

ただし、使える従業員を実質的に全員リストラした場合、その後の企業再建に支障が出ます。

よって、使用者に最低限の人材を選択する余地も残されてはいます(特別な資格をもっているなど)。

住友重機愛媛製造所地位保全仮処分異議申立事件(松山地裁昭和62ん江5月6日)
解雇による打撃の少ない労働者を解雇の対象とするものであるが、この基準を機械的に適用するときは、企業再建にとって不可欠の人材もその対象となり、企業の経済的困難を脱し、企業再建を図るという整理解雇本来の目的に反する恐れが生じる。→よって、使用者に人材選択の余地をもたせる。

 

仕事場で金髪やピアスはOKですか?

投稿日:2014/10/20 

世の中、一昔前ですとありえなかったレベルのものも、OKになってきていると・・・。
では、一昔前はなかったけれども、例えば金髪やピアスはどうなのでしょうか?
個人とか表現の自由だとかで、揉めそうですね。

正直、業種にもよるし、人の感覚はそれぞれ違うためかなり難しい面もあります。

営業で人に会うのが仕事の業種と、工場で自社の中にいる場合(自社に人しか会わない)はまったく求められる内容が違いますから。

また、人により不快感を与えるかどうかの感覚というかレベルはまったく違います。

ただ、なんでもOKとしてしまうと、やはりキリがない部分がありますので、就業規則や労働契約書、別紙の服務心得などで明確に定めることをお薦めします。

定めてもいいですよ。根拠は業務命令の服務規律です。労働者が企業の一員として守るべきルールのことで、就業規則などによって定められています。要は業務をしている以上、会社の指示や改善命令には従えということです。

そんなことまでと思っても仕方がありません。
現実的にある問題なのですから。

金髪やピアスと解雇

よほど、取引先から苦情とかがくれば、検討の余地はあつかもですが、懲戒解雇とかは無理です。

注意→注意→始末書か戒告(昇給やボーナス査定は当然期待するなという方向になる)という流れでしょうね。

 

整理解雇回避努力-事前に他の手段を考える

投稿日:2014/10/17 最終更新日:2014/10/20

整理解雇の要件2番目に解雇回避努力の履行・整理解雇を選択する理由があります。

要はリストラというのは最終手段なわけですから、他に配転・任意退職をつのる(いわゆる早期退職など)などの、それにいたるプロセスが大事になります。

整理解雇にいたるまでに順序をふむ

手段としては 配転 出向 転籍 希望退職者の募集 非正規社員の雇止め(特に有期雇用の場合など)等々、使用者が整理解雇を回避する努力をしているかがリストラが有効になるかどうかの大きな要素になります。

ただ、現実的に、配転 出向 転籍 といっても、例えば10人の会社と1,000人の会社では意味合いがまったく違ってきます。

だから、企業の規模、組織形態、従業員数、事業の内容などにより、できうる限りの努力をするということになります。

逆に言うと、まったく解雇回避努力をせずにいきなり肩叩きをした場合、争うと解雇権濫用として解雇自体が無効になる可能性が非常に高くなります。

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