取締役と雇用保険:労災保険(兼務役員)

投稿日:2014/12/16 最終更新日:2015/04/07

支店長などで取締役にはなったけれど、怪我とか何かあったときなど従業員性をある程度残しておきたいということはあります(ちなみに代表取締役や業務執行役員は駄目です。労働者性がないからです)。

この場合通常「兼務役員」という形になります。役員だけれども従業員としての立場を残しているということで、雇用保険なども対象となります。

兼務役員の要件

【労災保険】・・・届出などは特になし

毎月が「全額役員報酬」であれば、雇用保険・労災上ほぼ労働者性がないと見られるのと、労災で休業した場合に出る休業補償などは「3ヶ月間の給与の平均額を出す」ということになるのですが、「役員報酬は参入しない」ことになっています。

つまり、役員報酬だけでは、怪我の治療だけは病院で受けるだけなのでまだしも、休業補償関係は何も受けられません。

(さらに…)

留学生の雇用:注意点

投稿日:2014/12/16 

外国籍の留学生の雇用について。

「昼間の学生」をアルバイトで雇い入れる場合があります。IT関係の会社などで多いかと思います。

雇い入れの際の注意点

その場合、まず仕事をしていいのかどうかが問題となります。
「資格外活動許可」を受けているかどうかを確認する必要があるのです。

資格外活動許可を受けている場合、「パスポートの許可証印」又は「資格外活動許可書」が交付されていますので、それを確認してください。

※要は留学生の場合、勉強のためなので本来仕事をしてはいけないのですが、補助的には仕方がないという感じです。

その場合、留学生の就労時間限度は週28時間までとなります。

雇用保険と労災保険

留学生は雇用保険に加入しません。
日本の大学生も同じくです。これは仕事ではなく、勉強が本分のためということですね。

労災は事業所で入っているはずなので、個別に手続きはいりません。

雇うときには
1、「パスポートの許可証印」又は「資格外活動許可書」のコピー
2、在留カードのコピー

くらいを頂く形かなと思います。

36協定(サブロク)と残業

投稿日:2014/11/18 

1日の労働時間は8時間まで 週だと40時間まで。

なおかつ週に1回は休みをあげて下さい。→これが労基法の労働時間の基本です。

しかし、残業がまったくない会社などありません(たとえ5分でも残業は残業です)。

この残業と休日労働を行うために、従業員代表との協議署名の上労働基準監督署に「36協定」という書類を提出しておく必要があります。労働基準法36条に記載していあるので、36協定(サブロク)と呼ばれます。

36協定を結んでないと

簡単なように聞こえますが、これを出しておかないとても、揉めることになる可能性があります。

例えば、残業命令に違反した従業員を解雇したのですが、36協定を適法に締結していなかったため、そもそも会社に残業を命じる権限がなく、残業放棄は適法となり解雇無効になったという裁判などもあります(トーコロ事件 最高裁判決 平成13年6月22日)。

36協定の内容

ちなみに、36協定で定めることは以下のような内容です。

1、残業又は休日出勤の必要がある具体的な理由

2、業務の種類

3、対象となる従業員の人数

4、1日及び1日を超える一定期間について延長できる残業時間、又は出勤させることのできる休日

5、協定の有効期間

超えることのできる労働時間は1ヶ月で45時間、1年で360時間です。月にならすと30時間平均となります。

 

この時間を大幅に超える場合、特別条項付き36協定を結びます。例えば年末の時期は月60時間まで残業をOKとするとかの内容を結ぶわけです。

いずれにしても36協定を結んでいないと刑事罰が適用される可能性があります。相手方が労基法違反で告発もできるからです。非常に重要な書類のため、必ず適切に作成・届出をしてください。

試用期間は社会保険に入れなくてもよいのか?

投稿日:2014/11/17 

試用期間は、社会保険には入れない。

非常に多いです。よく聞きます。ただ、法律的にはどうなのでしょうか?

試用期間と社会保険

試用期間は社会保険の加入には関係なく、雇用保険・社会保険は入社日から入れる必要があります。

法律のどこにも、試用期間は入れなくてもよいという規程はありません。ですから、加入させるのが正しいという結論になります。

ちなみに、これも覚えておいて欲しいのですが、試用期間というのは通常の正社員と扱いはまったく同じです。

ただ解雇が比較的認められやすいというだけのことです(例えば労働条件で研修中という感じですから、試用期間は若干給与が安いなどは認められます)。

 

一応、社会保険に入れなくてもよい例外は、通常に営業している会社ですと以下のようになります。

【社会保険】(健康保険・厚生年金)

1、2ヶ月以内の期間限定雇用(契約社員等)

2、1日や1週の就業時間が正社員のおおむね4/3未満(つまり、平均的に1日6時間未満か32時間未満が目安)

以上の2つです。

【雇用保険】
1、当初より30日未満のみの臨時労働

2、就業時間が週20時間未満

上記に当てはまらない従業員は基本的に加入と思ってください。

 

 

出産・育児と解雇や降格、配置転換

投稿日:2014/11/14 最終更新日:2016/06/03

妊娠を理由とした、解雇や降格、配置転換等は無効となります(試用期間中でも)

男女雇用機会均等法9条4項に「妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は無効とする。

という規程が明確にあります。

試用期間中だから解雇できるなどの例外もありません。

会社に入社して直ぐ妊娠が発覚しても、妊娠を理由として正式採用を見送ることはできません。
ただ、逆にいうと妊娠ではなく、能力不足や勤務態度不良等(休みや遅刻も多くなるでしょうし)で解雇になることはありえますのでご注意下さい。

産前産後休業と育児休業

産前産後期間と育児休業期間を一緒くたにして考えている例を多く見受けます。

産前産後休業期間(出産手当金)と育児休業期間(育児休業給付金)は別に考える必要はあります。

産前休業42日間→出産→産後休業56日間(出産手当金支給)
→産後休業から1年間 育児休業給付金支給
→保育園がない場合など さらに育児休業(給付金を)半年延長

という流れになります。

ちなみに、出産手当金は在籍していれば支給となりますが、育児休業給付金は「1年間雇用保険に入っている必要があります(失業手当などもらってなければ、前職も通算可)」。

 

労使協定を結べば以下の従業員は育児休業を取れない(会社は与えない)とすることはできます。

労使協定により除外された次の従業員からの休業の申出は拒むことができる。
(1) 雇入れ後1年未満の従業員
(2) 申出の日から1年以内(1歳6か月までの育児休業の申出をする場合は、6か月以内)に雇用関係が終了することが明らかな従業員
(3) 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

1年未満や週2日労働の場合など、そもそも休業を与えるのが微妙だと何となくわかりますよね。でも育児休業自体を与えないなどは法律に反するのでできません。
ですから、育児休業給付金が出ない、会社が育児休業自体を与えないということはありえます。ちなみに、上記の期間全て社会保険料は免除になるので、会社として負担はありません。

時代の流れで、とにかく出産・育児・介護などは取得する方向にはなってきています。
ですから、今後、出産での休みというのは、想定して。復帰をどうするのか等々、社内の女性(ベテランの出産経験のある方など)を窓口対応にして、確認していくとかの体制を整備する必要があるかと思います。

 

朝の掃除と労働時間

投稿日:2014/11/14 

以前より減ったかもしれませんが、朝従業員で近隣の掃除をする、又は社内の清掃をする場合も多いかと思います。

ただ、この清掃に関して結構トラブルになることが多くあります。

経営者からすると、仕事の第一は掃除からスタートだ!というお気持ちが強いのではないでしょうか。

そうすると、仕事の第一というくらいで、清掃の時間はやはり労働時間なのです。清掃のために朝15分早くきてくれというのであれば、15分分の時給を払う必要があります(所定時間が8時間労働であれば、必然的に毎日15分間の残業となります)。

請求されれば払わざるを得ないのですが、防止策としては以下のような感じでしょうか。

1、あっさりと清掃時間を所定労働時間に入れてしまう。つまり、朝の仕事は掃除から始まることを明確にする。

2、掃除を自由参加にする。趣旨からはずれそうですが。

3、清掃手当のような形で、固定残業代として清掃分をあらかじめ組み込んでしまう。

3番だと、どうしても人件費があがらざるを得ませんので、掃除をすることが業務実績をあがるというのならば、朝の始業時間から掃除を開始という形ではっきり業務時間に組み込んでしまってはいかがでしょうか。

労働時間・残業時間になるのか?

投稿日:2014/11/14 

残業時間とはいうものの、そもそも労働時間(ひいては残業時間)に当たる時間なのか微妙なケースがあります。

例えば次のような時間です。

労働時間にあたる時間

1、お昼休みに、来客が電話当番をしている→自由な時間ではないので、労働時間です。

2、土曜日や日曜日、業務終了後の研修→強制参加であれば、労働時間。自由参加でしたら労働時間ではありませんが、例えば不参加がボーナスの査定にかかわるなど、不利益があるのならば労働時間です。

3、朝の朝礼やラジオ体操→これも2番と同じく、強制参加なら労働時間。任意なら労働時間ではありません。

4、毎月1日に朝早く出勤して、会社の周りの道路などを掃除している→時々見ますよね。従業員全員で動労の清掃などをしている場合など。これも強制(や出席の暗黙の強制などがあれば)であれば、労働時間となります。

5、従業員がかってに残ってダラダラ残業をしていたのだが、上司が注意などをしなかった→当然、労働時間です。後で会社命令がなかったから残業代を払わないなどと言えません。

 

結局、強制的(又は黙示にせよ)会社側からの指示等があり、業務の一部を行っているかどうかを、実態として判断するというのが、労働時間の定義となります。

給与は時給を元にして考える癖をつける

投稿日:2014/11/12 

残業や休日出勤等の金額を計算する場合、必ず時給単価が元になります。
アルバイトのように時間給での給与計算というのではなく、月給者も必ず時給換算の考え方が必要になります。

給与は時給で考えること

1、まず、年間の労働日数と時間を出す必要があります

2、その後従業員の時間給を把握します

例えば、年間労働時間1年間 1968時間/12ヶ月=164時間/月だとします。

給与20万円の場合 1,220円/時給です。
残業手当 1,220×1.25=1,525円/時

 

よく係長手当とかで10,000円で残業込みなどという記載を見たりします。

1万円ですと 6時間33分分がカバーとなりますので、
それ以上働いていると法律的には賃金未払いです。

もし給与40万円の人ですと、3,050円/時ですから3時間程度にしかなりません。

 

○手当などの残業代などが絡むものは、上記のように個別に給与を時給に直して換算して、実際に働いた時間にかけないと駄目です。月給で考えるからわかりにくくなるのです。

残業代、深夜手当、休日手当などは、必ず時間単価を意識して計算していくようにしてください。

営業手当を残業手当にする

投稿日:2014/11/11 

一般によく揉める元となるのが、営業手当は残業手当の替わりなので、残業代は支払っていないというものです。

さて、この営業手当を残業手当とすること自体は問題ないのでしょうか?

まず、営業手当を何のために支給するのかを考えてみたいと思います。

営業手当と残業手当

営業手当には2つの性格があります。

一つ目は、外勤であればスーツや鞄、靴などが傷むだろうし、夏に喫茶店に少し入ることもあるだろうしというような、お客様と会う外回りという、営業の仕事内容にそった手当としてのものです。

もう一つ。特に営業に絡むこととして、仕事が終わった後お客様と飲みに行くこともあるだろうし、打ち合わせで遅くなることもあるだろうという、残業相当分として出すものです。

通常、営業手当は残業手当だというのは、後者の考え方の部分が強いと思います。

 

であれば、逆に基本給の額も考えず営業手当は一律3万円というのが無理があるのです。

例えば、通常の月~金8時間労働、土・日・祝休みの会社で基本給20万円 営業手当3万円だと、20時間程度分しか残業手当としてカバーできません。1日1時間程度です。でも、営業で基本給20万円というのは新入社員~25歳前後の給与です。

もし基本給30万円なら営業手当3万円だと13時間程度分にしかなりません。

営業手当の金額はもっと実態にあった形で

ですので、営業手当を残業手当の替わりとして支給することは可能ですが、全員一律というようなものではなく、基本給からその該当する時間を逆算し、就業規則や労働契約書にキチンと記載していくということになります。

ましてや、スーツや靴など営業としの職務に注目して支払うのであれば、その分金額に上乗せをかけることも大事となります。

是正勧告書を無視するとどうなるのか?

投稿日:2014/11/10 最終更新日:2016/06/06

労基署の監督官が会社に調査にきて、「こりゃ問題あるわ」ということになると、指導票か是正勧告書を出します。

この是正勧告というのが、法的定義があいまいなところもあります。

是正勧告はあくまでも行政指導である

行政指導というのは、指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいいます。

要は強制力はないということですよ。あくまでも任意の協力という位置づけになります。
逆に不服があっても処分ではないのですから、その後行政不服審査法に基づく不服申立て(異議申立てや審査請求)や行政事件訴訟法に基づく抗告訴訟を行うこともできないとされています。

つまり、行政指導はそもそも処分とか強制ではなく任意的なものであるので、強制的に従うものでもない面もあります。

 

労働基準監督官を無視してもいいのか?

しかし悪質な場合、監督官は(従わない場合や、何回も繰り返す場合)、書類送検などを行うことができることを忘れてはいけません。

つまり、是正勧告自体に強制力はないけれど、法違反が明確にある場合、労基法(及び関連の周辺法)に関して監督官は司法警察官と同じ公権力を有していますので、逮捕なども可能となるということですね。

ですから、最終的に、違反であった部分は前向きに訂正していく形で従業員と民事的な話し合いである程度の落としどころで話をまとめていかなければならないということです。

結局、最後はこれにつきます。トラブルがあっても話しあいができるような職場環境を構築していくこと。

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