業務命令違反を犯した場合の懲戒解雇

投稿日:2014/09/25 最終更新日:2014/10/16

業務命令に違反することは懲戒解雇事由にはなります。業務命令というのは、日々の業務における指揮命令から転勤などかなり広範囲にはなります。

変な言い方ですが、業務命令違反を懲戒事由とすることは(一番重いのが解雇)、業務命令自体が適法・適当なものである必要があります。

適法・適当というのは、例えば転勤を命じた場合に従業員に介護すべき家族がいる場合など、やむをえない事情や酌むべき事情がある場合、また軽微な業務命令違反の場合などは、懲戒解雇自体が懲戒権の濫用として無効とされる可能性がかなり高くなります。

日常業務における指揮命令違反にしても、よほどの重大性・悪質性がないと、通常の日常業務命令違反(上司の言いつけを守らないなど)による解雇は難しいと思われます。

業務命令違反による解雇

これは、逆説ではありますがいきなりの懲戒解雇は難しいため、じょじょに段階をおって厳しい処分にしていくというステップを踏まなければいけません。

要は、口頭注意から反省文、始末書、減給(や出勤停止)と段階を追っていき、懲戒解雇がやむを得なかったという状態にまでなることです。辞令・業務命令書や指導を行った場合の書面・メール等は懲戒解雇が有効であると主張する場合、会社に立証責任がありますので、気をつけてください。

それでも、できれば懲戒解雇よりは、能力不足や債務不履行による普通解雇の方向にした方が問題はありませんが。

ダラダラ残業防止のための事前申告制

投稿日:2014/09/25 

どこの会社でも、仕事が終わった後、雑談をしていてなかなか帰らないような従業員がいると思います。また、残業自体もダラダラとただ残っているような状態だったりもします。

ダラダラ残業の防止

残業する場合、事前に上司に申請し許可を得る 制度を導入しましょう。
定時以降も会社残る場合、「残業の事前申請→承認」の手続きをへて、初めて残業が許可されることにするのです。
要するに、残業というのは会社の業務命令で行うものであり、従業員が勝手にやっていいものではないことを徹底させていくのです。

1、その仕事の緊急性を確認する(いつまでに終わらせるものなのか)。

2、残業をすることの事前許可と、残業の成果に対する承認が必要(残業によって何をしたのか)

という2つの項目を就業規則に記載し、運用していくことにより、ダラダラ残業を防ぐことができます。
緊急性があるものは仕方がないのですが、少しでも残業代を稼ぎたいという趣旨で会社に残っていることもありえます。ですので、仕事が終わったら速やかに退社するという指示を、毎日徹底してください。

ダラダラ残業と残業代支払

勝手に会社に残っていると言っても、ほおっておくと残業代は支払わざるを得ませんし、後での残業代請求の原因となります。

要するに、何も言わないでおいておくと、従業員が会社に自由に残っていること自体、会社が暗黙の了解で認めていると判断されることもありえます。

例えば、タイムカードなどで勤怠管理をしている会社も多いかと思いますが、そのままダラダラ残業をほおっておくとタイムカードに記録された時間が労働時間とみなされてしまいます。

その時間は残業をしていなくて雑談をしていただけだというのを立証できないと タイムカード=残業時間となる可能性が高くなります。
ですので、日常的に残業は会社の事前許可とすることを徹底していくことが、一つの会社の主張となりえます。

修業規則に事前許可制度を記載→運用を徹底

無断欠勤・遅刻・早退(職務懈怠)と懲戒解雇

投稿日:2014/09/25 最終更新日:2014/10/16

無断欠勤や遅刻・早退が相次いだ場合、どれくらいの頻度であれば懲戒解雇できるでしょうか?

これは従業員が「仕事をする」という約束に対しての債務不履行です。この場合、懲戒処分が許されるのは欠勤等が企業秩序を乱したなど、士気の低下をまねいた場合に限られます。

職務懈怠の程度はかなり重く、極めて悪質であるような場合であることが必要です。

具体的な判例では、6ヶ月間の遅刻が24回、欠勤が14日に上った場合(事前届出があったのは1回)。無断欠勤が4ヶ月に及んだ場合などがあります。

勿論、全て着とくはとっておかないと駄目です。出勤しなかったというのを主張・立証するのは会社側です。

履歴書の嘘など経歴詐称で懲戒解雇できるのか

投稿日:2014/09/24 最終更新日:2014/10/16

履歴書などの経歴書を詐称して入社してきた場合、すぐにでも解雇したいのが人情ではあります。が、だからと言って簡単にクビにはできません。

一般的に問題になるのが、学歴及び今までの職歴(経験)、犯罪歴などかと思います。

考え方としては、すべての経歴詐称が直ぐに懲戒処分の対象となるわけではなく、真実を告知したならば採用しなかったであろう、重大な経歴詐称に当たる場合、懲戒解雇が有効とされることが多くなります。

 経歴詐称と懲戒解雇のポイント

以下のようなポイントがあります(判例:炭研精工事件 最判平成3年9月19日)

1、使用者が企業秩序の維持のため経歴の申告を求めた場合、労働者は信義則上、これに真実をもって応ずべき義務があります。

つまり、真摯に今までの経歴などを告知する必要があります。実務的には、事前に履歴書や職務経歴書での判断となるかと思います。

2、その上で、経歴詐称があった場合、懲戒解雇が有効かどうかの判断は、真実を告知していたならば採用しなかったであろう重大な経歴の詐称であったかどうか?という点を基準とします。

要するに、経歴詐称がなければ採用しなかったのか可能性がどれだけあるのか、実際の業務にどれだけ支障があるのか?人員配置等に阻害が出たのかなどの程度に応じて検討となります。

業務を行うにおいて、どれだけ重大なレベルの詐称なのかということですね。

3、学歴や職歴の詐称は、労働力の適正な配置を誤らせるような場合には、懲戒解雇が有効となります。会社の職位が学歴別により設定されている場合、学歴を確定的な採用条件としている場合など。

つまり、今後の出世などにおいて学歴を重要な判断基準としている場合です。

職歴においては、その業務を行うために経験者を雇用しようとしたなど、その職務の内容が大きな判断基準となります。

参考までに、履歴書の賞罰欄にいう「罰」とは一般に確定した有罪判決(いわゆる「前科」)をいい、裁判中のものなどは含まれません。ですので採用後に発覚した場合の一文も就業規則に入れる必要はあります。

解雇期間中の賃金

投稿日:2014/09/24 最終更新日:2014/10/16

解雇が無効であるとの判決等(又は準ずるもの)が出た場合、会社による解雇言い渡しから判決までの間の賃金はどのような扱いになるでしょうか?

要するに、勤務していなかったのですからノーワーク・ノーペイで、その間の賃金は支払う必要がないとも思えます。

不当解雇の場合の賃金請求権

しかし、故意・過失などによって、使用者の責任で就業ができなかった場合、労働者は、反対給付としての賃金の請求権を失いません(民法536条2項)。つまり、解雇が無効ということであれば、そもそも本来認められない解雇により(故意・過失により)、従業員が労働できない状態にさせたということになります。

対象となるのは、毎月確実に支給される賃金です。つまり、通勤手当や残業手当などは入りません。

ちなみに、参考までに天変地異など使用者の故意・過失とまではいえない事情で、就労できなくなった場合、賃金請求権は発生しません。そのような場合、その休業期間中、使用者は労働者に対して平均賃金の6割以上の休業手当を支払う形になります(労基法26条 休業手当)。

従業員が他で収入を得ていた場合

しかし、違法な解雇を争って裁判をしている従業員が、その間に他で労働して得た収入があった場合(中間収入という)、賃金額から中間収入を控除する形となります。

従業員が使用者への労務の提供を免れることにより、他から収入を得ることができたわけであり、賃金の二重取りをすることは不合理だからです。

判例では、中間収入の控除は平均賃金の4割相当額以内として、平均賃金の6割の支払いは確保すべきであるとされています。つまり、解雇無効の判決が出た場合、他で働いていた期間の賃金の6割は支払う必要があります。

 

吉川晃司の30周年記念ライブ

投稿日:2014/09/24 最終更新日:2014/09/25

 吉川晃司30周年記念ライブ

月曜夜、火曜夜と吉川晃司の30周年記念ライブに行ってまいりました。
日本武道館。急に思い立ってチケットをとったのですが、2日間で約50曲を歌うというアニバーサリーライブです。

モニカ から せつなさを殺せない、ビーマイベイビー、恋を止めないでとか、ソロとコンプレックスのナンバーをやられたら、そら頭飛ぶわ。相変わらずの体のキレはかっこいいです。シンバルキックも数発。

回りも白髪頭のおっさんと、ややおばさまばかりww でも「すげえなぁ!」を連発していましたね。

最近、特に同年代や少し上の年代というのか(吉川は49歳)、現役で何かをやっている人に感情移入が凄くなってきましてね。

そういえば、数日前のGLAY EXPO宮城県ライブはTVで見ただけだけど凄かった。5万5千人動員だもんな。次回行くかな~。

きっと、僕らもうおっさんなんだけど、「少しだけさ~あがこうぜ。まだ、少し喉渇くしさ!」みたいなことを探してるのかな~(ノ´▽`)ノ
おっさん、ガンバロっと。

能力不足の従業員の解雇

投稿日:2014/09/22 最終更新日:2014/10/16

労働者の能力不足による解雇をする場合、能力不足であることを主張・立証するのは会社側になります。

具体的にどのレベルが能力不足になるかと言うと、労働者の能力不足が解雇により労働者の生活基盤を奪うことになってもやむを得ない、と考えられるほどのレベルかどうかで判断されます。

ちなみに新入社員及びそれに準ずる年齢の場合、1人前に仕事ができなくても仕方がないということもあるので、解雇は極めて困難になります。

逆にある程度の能力を期待して雇用した中途採用者の場合、特にその地位に応じて給与などを与えていれば比較的解雇はできる方向です(簡単というのではなく、認められる可能性があるという意味)。

1、具体的にには、求人広告と職経歴書の照らし合わせ。

2、人事考課の資料、実際の顧客からのクレームの有無を総合的に判断。

3、就業規則に能力不足による解雇の記載があり。

4、注意、指導を繰り返したが改善しない証明書類

5、解雇回避努力の有無(職種限定でなければ、移動や降格も含めた検討)

以上などの総合的に判断します。

 

 

遅刻・欠勤を繰り返す従業員の解雇

投稿日:2014/09/22 最終更新日:2014/10/16

遅刻や早退、欠勤などを繰り返す従業員がいた場合、どの程度それを繰り返すと解雇できるのでしょうか?

回数による制限というのはありませんが、具体的に業務に支障が出たことや、遅刻・欠勤などが無断である、会社に対して嘘の理由を言ったなどの悪質性の程度により判断されます。

遅刻・欠勤の解雇手順

1、出勤簿や欠勤一覧表の整備

2、就業規則で遅刻・早退・欠勤などを繰り返すと、解雇事由に当たることを記載する必要があります。実際的には懲戒事由→繰り返すと解雇事由という規程になると思います。

※ポイント 実務的にはこの規程がないと解雇できないと思ってください。

3、従業員に対して、どこまで注意・指導しているかなどの客観的な証拠が必要。

始末書、反省文などの書面、メールなど客観的にわかるものです。また、人事担当者や上司の陳述書など。

解雇の注意点

解雇することにおいて、客観的に合理的な理由があるということについては、使用者が主張・立証責任を負いますので、客観的な資料を用意できなければ解雇はできないと肝に命じてください。

裁量労働時間制と残業代の支払いについて

投稿日:2014/09/17 最終更新日:2014/09/25

裁量労働時間制とは

みなし労働時間制度の中に裁量労働制というものがあります。要はあらかじめ決めておいた時間働いたことにしましょうということで、残業代の支払が必要ないというものです。

ただし、運用は中小企業ではほぼ不可能だと思われます。

1、専門業務型裁量労働時間制

きわめて業種が絞られますが、中小企業で「それ専属でやっている」という従業員がどれだけいるでしょうか?ほとんどがある程度兼用だと思います。

参考までに以下のような業務です。

(1) 新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務
(2) 情報処理システムの分析又は設計の業務
(3) 新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務又はテレビ・ラジオ番組制作のための取材若しくは編集の業務
(4) 衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
(5) 放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務
(6) コピーライターの業務
(7) システムコンサルタントの業務
(8) インテリアコーディネーターの業務
(9) ゲーム用ソフトウェアの創作の業務
(10) 証券アナリストの業務
(11) 金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
(12) 大学における教授研究の業務  などなど

※以上の業務であっても、チームリーダーの管理下で業務を行う場合や、対象業務に付随するアシスタント、雑用、補助的な業務は対象外となります。

また、重要なポイントとして、会社は具体的な労働時間の指示ができなくなります。→中小企業で通常ありえません。

2、企画業務型裁量労働制

導入にあたっては事業活動の中枢にあり、業務遂行に関して使用者の指示を受けず、裁量を持って創造的な仕事をする労働者に対し、一人ひとりと合意する形となります。

つまりこの段階で、いわゆる本社などで中枢の仕事をするものという仮定があるのです。使用者の指示を受けない従業員が、中小企業で何人いるか考えたらわかります。

また、導入する際は、まず労使委員会を立ち上げ、委員の5分の4の賛成を得なければならないなど、非常にハードルが高くなります。労使委員会という時点で動きが止めると思います(笑

ですので、裁量労働制というのは基本的に大企業の要望でできた制度であり、中小企業にはなじまないと考えた方がよろしいかと思います。

 

事業場外みなし労働時間と残業代の支払について

投稿日:2014/09/17 最終更新日:2014/09/25

みなし労働時間というのは、何となく耳にしたことがあるかと思います。一番ポピュラーなのは、外回りの営業職など、社内にいることがほとんどなく、労働時間を把握することが難しい職種かと思います。

このような職種の従業員に対しては、事業場外のみなし労働時間制を利用することができます。労使協定によりみなし労働時間を設定して、実際に働いた時間が何時間であってもその時間であるとみなすという制度です。

要するに、会社側として、どこで何をしているのかわからない、なかなか目が行き届かないことの多い外回りの外勤社員などを一律に管理しようという制度です。夜飲みに行ったのが、仕事なのか遊びなのかもわかりませんしね。

こりゃいい制度だ!しかし・・・時代の移り変わりにより、この制度自体は運用がかなり難しくなっております。

事業場外のみなし労働時間

要件はおおむね以下の2つとなります。

1、労働者が事業場外で業務に従事しており、事業場外労働が労働時間の全部又は一部であること。

2、事業場外において、労働時間を算定しがたいこと。

注意点はこの労働時間を算定しがたいことという点です。例えば以下の場合などは認められません。

a.何人かのグループで事業場外労働に従事する場合で、そのメンバーの中で労働時間の管理をする者がいる場合。

b.事業場外で業務に従事するが、無線やポケベル等によって随時使用者の指示を受けながら労働している場合。

c.事業場において、訪問先、貴社時刻等日当日の業務の具体的指示を受けたのち、事業場外で指示とおりに業務に従事し、その後事業場に戻る場合。

どうでしょうか?無線やポケベルを携帯電話に置き換えると、外に出て何をやっているかまったくわからないということは、ほぼありえないと思います。

ましてや、業務終了後会社に戻って日報を書く場合などは、終業時刻が明確にわかるので、認められません。

不動産業の営業、配送の運転手などでも否定された判例がめだちます(大東建託事件、千里山協同組合事件など)

最近の新しいところでは、旅行の添乗員のみなし労働を否定した、阪急トラベルサポート事件が有名です(最判平成26年1月24日)

以下のような業務態様のみなし労働時間は、否定される可能性が高い。

ア、訪問予定をスケジュール登録したり、上司に報告したりしている。
イ、営業先や方法など、上司の指示やアドバイスを受け、スケジュールに従って行動することが基本である(会社の指示命令)。
ウ、外出中は原則として、常に携帯電話を持っており、いつでも連絡が取れる状態になっている(携帯電話のGPSによって居場所を把握する場合もあり)。
エ、帰社後は営業日報を作成し、上司に報告(退社時間等の把握)。又は帰社できなくても、その旨会社に報告している。

どうでしょうか?通常の営業はルート営業的な要素がかなりありますので、ほぼみなし労働時間対象ではない可能性が高いと思います。

給与がほぼ最低保証+営業歩合のみの、飛び込み営業などのみが対象ではないでしょうか(ちなみに完全なフルコミッションは違法です。労働時間に応じて、最低賃金分は払う必要があります)。

 

時代の流れと最初に書いたのは、携帯電話を持つのが当たり前であり、やろうと思えばGPSなどもある時代ですから、いつが終業時刻かわからないというのは基本的に無いと思われるからです。

つまり、事業場外のみなし労働時間は今後かなり認められ辛くなってくると思われます。

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