労働トラブルとは

投稿日:2014/08/26 最終更新日:2014/10/03

労働トラブルとは、簡単に言えば労働者と使用者(経営者)の間に起こる労働に対する問題で、給与、休み、セクハラ、パワハラ、解雇等様々な種類があります。

難しいのは、双方とも言い分があり、基本的に自分が正しいと思い込んでいるということです。

でも、これだけは覚えておいてください。労働トラブルが起こった場合、会社が無傷というのはほぼありえない!ということを。

労働トラブルが起きるとどうなるのか?

ある勉強会に出席したとき、労働問題に詳しい弁護士さんが言われていました。
「日本は弱者救済の前提があるので、裁判を起こされた時点で会社はゼロ回答はありえません。裁判を起こされた時点で負けなのです。勝ちとか負けではなく、どのレベルで和解をするかを考えてください。」

私もそう思います。よほど鬼のようなトップレベルの労務管理を行っていない限り、アラ探しをされたらいくらでもブラック企業になってしまいます。

労働トラブルに関しては(特に退職後の残業代や不当解雇などの請求は)、ほぼ感情論です。
悔しい、嫌だ、このままにしたくないということです。

お金よりも相手を痛めつけてやりたいという感情が前提にあります。
このような感情で何かしら言ってくる相手に対して、会社が無傷又は傷を浅くしていくためには、大前提として日頃からの労務管理をキチンと行っていくことです。

そして、もっと大事なのは、経営者と従業員の人間関係となります。月並みですがこれにつきます。

 

もう一度記載しておきます。労働局のあっせんや裁判などになった時点でそれなりの手間と出費は覚悟してください。

労働局のあっせんにせよ、裁判にせよ 100対0の勝ち負けなどは、ほぼ100%近くありえません。

最終的に和解による金銭解決になりますが、その額が多いか少ないかというだけです。要はいくらだしたら和解する?ということしかありえないのです。

 

会社に備え付ける必要のある書類

投稿日:2014/08/26 最終更新日:2014/10/03

労働トラブルの防止には日頃の労務管理が大事になるわけですが、会社には必ず備え付ける書類が必要になります。

具体的には、以下のような書類です。

下の書類は労基署の調査が入った場合、必ず提示を求められますので、日頃からキチンとしておいた方が間違いありません。

会社で必ず作成・保管しなければいけない書類

1、賃金台帳

2、出勤簿(キチンと出勤退社の時間管理はすること。タイムカードなどで間違って押した場合、チェックのうえ訂正捺印等させること→これ大事ですよ。訂正しない場合、そのまま請求が認められる可能性が高くなります)。

3、36協定(労基署に提出します。提出していない企業も多いのですが、残業や休日出勤をさせる場合必ず必要です)。

4、有給管理簿(有給は原則として入社して半年で10日間を与えます。以後毎年勤続年数により増えていきます)。

5、雇用契約書・労働条件通知書(これは大事です。入社するときの説明や条件が違うというのは後々大きなクレームの元となります)。

6、健康診断の記録(雇い入れ時及び年に一度健康診断を受診させる必要があります)。

7、就業規則(法律的には10人以上の従業員がいる場合作成と届出の義務が必要ですが、実際は5人を超えてくると作成してもよろしいかと思います)。

上記内容の書類をキチンと作成して運用管理していれば、ある程度のトラブルには対応できます。

キチンとした運用管理というのが大事です。つまり、書類と実態があまりにかけ離れている場合などは、トラブルになったときの対応が難しくなります。

逆に言うと上記の書類をキチンと作成して、運用している会社であれば労働問題が起こったとき、それほど心配する必要はありません。

運用が大事です。要は出勤簿なども、管理者がキチンとチェックしているかが問われるということですね。

労働トラブルの種類

投稿日:2014/08/28 最終更新日:2014/09/18

労働トラブルというと、どのような状態を思いうかべるでしょうか?

現在、もっとも多いのは残業代の未払いですが、その他 解雇関係(不当解雇) メンタルヘルス セクハラ パワハラ 等があります。

そこで、具体的に労働トラブル問題のポイントなどをまとめてみました。

残業代の請求

解雇関係(不当解雇)

セクハラ

パワハラ

 

解雇期間中の賃金

投稿日:2014/09/24 最終更新日:2014/10/16

解雇が無効であるとの判決等(又は準ずるもの)が出た場合、会社による解雇言い渡しから判決までの間の賃金はどのような扱いになるでしょうか?

要するに、勤務していなかったのですからノーワーク・ノーペイで、その間の賃金は支払う必要がないとも思えます。

不当解雇の場合の賃金請求権

しかし、故意・過失などによって、使用者の責任で就業ができなかった場合、労働者は、反対給付としての賃金の請求権を失いません(民法536条2項)。つまり、解雇が無効ということであれば、そもそも本来認められない解雇により(故意・過失により)、従業員が労働できない状態にさせたということになります。

対象となるのは、毎月確実に支給される賃金です。つまり、通勤手当や残業手当などは入りません。

ちなみに、参考までに天変地異など使用者の故意・過失とまではいえない事情で、就労できなくなった場合、賃金請求権は発生しません。そのような場合、その休業期間中、使用者は労働者に対して平均賃金の6割以上の休業手当を支払う形になります(労基法26条 休業手当)。

従業員が他で収入を得ていた場合

しかし、違法な解雇を争って裁判をしている従業員が、その間に他で労働して得た収入があった場合(中間収入という)、賃金額から中間収入を控除する形となります。

従業員が使用者への労務の提供を免れることにより、他から収入を得ることができたわけであり、賃金の二重取りをすることは不合理だからです。

判例では、中間収入の控除は平均賃金の4割相当額以内として、平均賃金の6割の支払いは確保すべきであるとされています。つまり、解雇無効の判決が出た場合、他で働いていた期間の賃金の6割は支払う必要があります。

 

元従業員に就業規則を見せる必要があるのか

投稿日:2014/10/06 最終更新日:2014/10/20

元従業員から、退職後に就業規則や給与規定等の開示請求がきた場合、断ることはできるのでしょうか?

退職者からの就業規則開示請求

結論から申しますと、断ってもかまいません。

もっとも法律上明確に、退職者には就業規則等を見せなくてもよい などという規定はありません。

労働基準法106条で就業規則を労働者に周知させなければならない。と記載があるだけなのです。

そして、退職者は全に労働者ではありません。労働者とは、職業の種類を問わず、事業又は事業所に使用される者で賃金を支払われる者をいう と記載もありますので、元従業員は既にその事業所(会社)における労働者ではないのです。

労働基準監督者を通じて要請がきても同じです。ただし、民事裁判などで裁判所からの開示命令があった場合は別です。その際は開示する必要があります。

しかし、現実的にただ書類が見たいという者はいないので、多くは残業代請求か不当解雇の請求を目的にしていると思われます。

その辺りは何を目的にしているのかによって、随時判断になっていきます。

 

 

トラブルの元-合意があっても駄目はダメ

投稿日:2014/10/17 

従業員とトラブルになる大きな理由の一つに、私法上と公法上の約束などを一緒くたにして考えている場合が多いと思います。

簡単にいうと、残業代は払わないけどうちの会社で働くか?→はい、頑張ります!→よし!明日からこい!

労基法違反なので内容が有効か無効かは別として、合意はありますよね。これが私法

で、最初はいいけど、たいがい後で揉めます。

もう辞めますので、今までの残業代を払ってください→残業代はいらないと言っただろ!→じゃあ、労基署に行きます。

このパターンわかりますよね?無理に決まってます。払えと言われるだけです。

私法と公法のバランスを考えるのは難しいですね。

こんな例珍しいですか?いやいや、今から起業する場合など多くありません?友人同士ではじめて片方が役員でもない場合など。

結構後で喧嘩別れして、今までの残業代払えとか揉めること多いですよ。

ですので、合意があるから安心とかとんでもないことは考えない方がいいです。ましてやその合意を書面にもしてなければ、話にもなりませんよ。

 

出産・育児と解雇や降格、配置転換

投稿日:2014/11/14 最終更新日:2016/06/03

妊娠を理由とした、解雇や降格、配置転換等は無効となります(試用期間中でも)

男女雇用機会均等法9条4項に「妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は無効とする。

という規程が明確にあります。

試用期間中だから解雇できるなどの例外もありません。

会社に入社して直ぐ妊娠が発覚しても、妊娠を理由として正式採用を見送ることはできません。
ただ、逆にいうと妊娠ではなく、能力不足や勤務態度不良等(休みや遅刻も多くなるでしょうし)で解雇になることはありえますのでご注意下さい。

産前産後休業と育児休業

産前産後期間と育児休業期間を一緒くたにして考えている例を多く見受けます。

産前産後休業期間(出産手当金)と育児休業期間(育児休業給付金)は別に考える必要はあります。

産前休業42日間→出産→産後休業56日間(出産手当金支給)
→産後休業から1年間 育児休業給付金支給
→保育園がない場合など さらに育児休業(給付金を)半年延長

という流れになります。

ちなみに、出産手当金は在籍していれば支給となりますが、育児休業給付金は「1年間雇用保険に入っている必要があります(失業手当などもらってなければ、前職も通算可)」。

 

労使協定を結べば以下の従業員は育児休業を取れない(会社は与えない)とすることはできます。

労使協定により除外された次の従業員からの休業の申出は拒むことができる。
(1) 雇入れ後1年未満の従業員
(2) 申出の日から1年以内(1歳6か月までの育児休業の申出をする場合は、6か月以内)に雇用関係が終了することが明らかな従業員
(3) 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

1年未満や週2日労働の場合など、そもそも休業を与えるのが微妙だと何となくわかりますよね。でも育児休業自体を与えないなどは法律に反するのでできません。
ですから、育児休業給付金が出ない、会社が育児休業自体を与えないということはありえます。ちなみに、上記の期間全て社会保険料は免除になるので、会社として負担はありません。

時代の流れで、とにかく出産・育児・介護などは取得する方向にはなってきています。
ですから、今後、出産での休みというのは、想定して。復帰をどうするのか等々、社内の女性(ベテランの出産経験のある方など)を窓口対応にして、確認していくとかの体制を整備する必要があるかと思います。

 

ページトップへ戻る