整理解雇は、基本的に何人かいる従業員の中から、一部をリストラするわけです。
ですので、その対象者の選定については、客観的・合理的に公平な基準が必要となります。
出勤率・服務規律率などの勤務成績全般、整理解雇による不利益の程度などで基準を設けます。人選の基準が合理的なものであり、具体的実際の人選も合理的かつ公平でなければなりません。
基準を設け、公平にしないと駄目だが、どうしても残ってほしい人材を選択できる余地は当然ありえる。
ただし、使える従業員を実質的に全員リストラした場合、その後の企業再建に支障が出ます。
よって、使用者に最低限の人材を選択する余地も残されてはいます(特別な資格をもっているなど)。
住友重機愛媛製造所地位保全仮処分異議申立事件(松山地裁昭和62ん江5月6日)
解雇による打撃の少ない労働者を解雇の対象とするものであるが、この基準を機械的に適用するときは、企業再建にとって不可欠の人材もその対象となり、企業の経済的困難を脱し、企業再建を図るという整理解雇本来の目的に反する恐れが生じる。→よって、使用者に人材選択の余地をもたせる。