整理解雇の1つの要件ですが、整理解雇(リストラ)するには呼んで字のごとし人員を削減する必要があることです。

問題になるのは、どこまでのレベルの必要性があるのかということです。

この辺り、個別具体的にならざるを得ないのですが、判例では人員削減をしないと倒産するというほどのレベルまでは必要ないとされています。

かなりの債務超過になるか、赤字の状態が長期に渡り慢性化している場合、人員削減の必要性認められることが多くなります。

逆に裁判などで人員削減の必要性が否定される曲型的な例として、整理解雇を行いつつ過大な設備投資や大幅な昇給を行う(財務状態に問題がない)、人員の補充を行っている(新規採用)場合などは、整理解雇の必要性自体を否定される可能性が高くなります。

 

昭和54年10月29日 東洋酸素事件 では、リストラするものとは別部門で相当数の新規採用がありましたが、これに関しては有効となりました。ただし、たとえば現在の製造業がそうであるように、構造的・時代的にその部門が復活する余地が低いことや年齢層が相当高いなどいろいろな事情が絡み合ってのものです。

ですので、基本的にはその部門が、今後立ち直る可能性がどれだけないのかを、資料で示していくことになります。


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