歩合給でも残業代の支払は必要と言ったら驚かれますか?
いわゆる出来高制、インセンティブ、フルコミッション制のこと。
不動産会社などの営業マン(ウーマン)やタクシー運転手などが典型といえるでしょう。私も不動産会社時代は・・・まぁいいです。
ちなみに、完全に営業歩合のみ(いわゆる完全歩合制)は違法です(外注ならOK。この場合時間拘束をしては駄目ですが)。
売れなければ給与ゼロ!だと言っても、まず働いた時間(稼動した時間)に対して、最低時給分の給与は支払う必要があります。
1日8時間、月22日稼動したら労働時間は月176時間。東京都の最低時給は888円(平成27年)ですから、156,288円/月の最低給与支払は必要となります。
歩合給の部分も残業代は必要
そして歩合制で働く労働者も、法定労働時間を超えて労働すれば、残業代の支払いは必要です。
わかりやすく、先ほどの労働時間で 160,000円/月の固定給与に、プラスして歩合200,000円だったとして、残業を20時間やったとします。
【固定部分】
160,000円/176時間/月×1.25倍×20時間=22,727円が残業代です。
それプラスして歩合分の残業手当は
200,000円/(176+20時間)×0.25倍×20時間=5,102円
つまり、歩合給部分の時給単価を出して、0.25倍の割増をかけると考えるとわかりやすいと思います。
休日手当、深夜手当も考え方は同様です。
ちなみに会社が、歩合給に残業代が含まれていると主張することがありますが、原則は無理です(歩合給に残業代分を含むが計算されて、その表示がない限り)
最高裁の判例にもなっておりますので注意する部分です(歩合給について)
高知県観光事件 最高裁 平成6.6.13 労判653号