朝の掃除と労働時間

投稿日:2014/11/14 

以前より減ったかもしれませんが、朝従業員で近隣の掃除をする、又は社内の清掃をする場合も多いかと思います。

ただ、この清掃に関して結構トラブルになることが多くあります。

経営者からすると、仕事の第一は掃除からスタートだ!というお気持ちが強いのではないでしょうか。

そうすると、仕事の第一というくらいで、清掃の時間はやはり労働時間なのです。清掃のために朝15分早くきてくれというのであれば、15分分の時給を払う必要があります(所定時間が8時間労働であれば、必然的に毎日15分間の残業となります)。

請求されれば払わざるを得ないのですが、防止策としては以下のような感じでしょうか。

1、あっさりと清掃時間を所定労働時間に入れてしまう。つまり、朝の仕事は掃除から始まることを明確にする。

2、掃除を自由参加にする。趣旨からはずれそうですが。

3、清掃手当のような形で、固定残業代として清掃分をあらかじめ組み込んでしまう。

3番だと、どうしても人件費があがらざるを得ませんので、掃除をすることが業務実績をあがるというのならば、朝の始業時間から掃除を開始という形ではっきり業務時間に組み込んでしまってはいかがでしょうか。

労働時間・残業時間になるのか?

投稿日:2014/11/14 

残業時間とはいうものの、そもそも労働時間(ひいては残業時間)に当たる時間なのか微妙なケースがあります。

例えば次のような時間です。

労働時間にあたる時間

1、お昼休みに、来客が電話当番をしている→自由な時間ではないので、労働時間です。

2、土曜日や日曜日、業務終了後の研修→強制参加であれば、労働時間。自由参加でしたら労働時間ではありませんが、例えば不参加がボーナスの査定にかかわるなど、不利益があるのならば労働時間です。

3、朝の朝礼やラジオ体操→これも2番と同じく、強制参加なら労働時間。任意なら労働時間ではありません。

4、毎月1日に朝早く出勤して、会社の周りの道路などを掃除している→時々見ますよね。従業員全員で動労の清掃などをしている場合など。これも強制(や出席の暗黙の強制などがあれば)であれば、労働時間となります。

5、従業員がかってに残ってダラダラ残業をしていたのだが、上司が注意などをしなかった→当然、労働時間です。後で会社命令がなかったから残業代を払わないなどと言えません。

 

結局、強制的(又は黙示にせよ)会社側からの指示等があり、業務の一部を行っているかどうかを、実態として判断するというのが、労働時間の定義となります。

給与は時給を元にして考える癖をつける

投稿日:2014/11/12 

残業や休日出勤等の金額を計算する場合、必ず時給単価が元になります。
アルバイトのように時間給での給与計算というのではなく、月給者も必ず時給換算の考え方が必要になります。

給与は時給で考えること

1、まず、年間の労働日数と時間を出す必要があります

2、その後従業員の時間給を把握します

例えば、年間労働時間1年間 1968時間/12ヶ月=164時間/月だとします。

給与20万円の場合 1,220円/時給です。
残業手当 1,220×1.25=1,525円/時

 

よく係長手当とかで10,000円で残業込みなどという記載を見たりします。

1万円ですと 6時間33分分がカバーとなりますので、
それ以上働いていると法律的には賃金未払いです。

もし給与40万円の人ですと、3,050円/時ですから3時間程度にしかなりません。

 

○手当などの残業代などが絡むものは、上記のように個別に給与を時給に直して換算して、実際に働いた時間にかけないと駄目です。月給で考えるからわかりにくくなるのです。

残業代、深夜手当、休日手当などは、必ず時間単価を意識して計算していくようにしてください。

営業手当を残業手当にする

投稿日:2014/11/11 

一般によく揉める元となるのが、営業手当は残業手当の替わりなので、残業代は支払っていないというものです。

さて、この営業手当を残業手当とすること自体は問題ないのでしょうか?

まず、営業手当を何のために支給するのかを考えてみたいと思います。

営業手当と残業手当

営業手当には2つの性格があります。

一つ目は、外勤であればスーツや鞄、靴などが傷むだろうし、夏に喫茶店に少し入ることもあるだろうしというような、お客様と会う外回りという、営業の仕事内容にそった手当としてのものです。

もう一つ。特に営業に絡むこととして、仕事が終わった後お客様と飲みに行くこともあるだろうし、打ち合わせで遅くなることもあるだろうという、残業相当分として出すものです。

通常、営業手当は残業手当だというのは、後者の考え方の部分が強いと思います。

 

であれば、逆に基本給の額も考えず営業手当は一律3万円というのが無理があるのです。

例えば、通常の月~金8時間労働、土・日・祝休みの会社で基本給20万円 営業手当3万円だと、20時間程度分しか残業手当としてカバーできません。1日1時間程度です。でも、営業で基本給20万円というのは新入社員~25歳前後の給与です。

もし基本給30万円なら営業手当3万円だと13時間程度分にしかなりません。

営業手当の金額はもっと実態にあった形で

ですので、営業手当を残業手当の替わりとして支給することは可能ですが、全員一律というようなものではなく、基本給からその該当する時間を逆算し、就業規則や労働契約書にキチンと記載していくということになります。

ましてや、スーツや靴など営業としの職務に注目して支払うのであれば、その分金額に上乗せをかけることも大事となります。

是正勧告書を無視するとどうなるのか?

投稿日:2014/11/10 最終更新日:2016/06/06

労基署の監督官が会社に調査にきて、「こりゃ問題あるわ」ということになると、指導票か是正勧告書を出します。

この是正勧告というのが、法的定義があいまいなところもあります。

是正勧告はあくまでも行政指導である

行政指導というのは、指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいいます。

要は強制力はないということですよ。あくまでも任意の協力という位置づけになります。
逆に不服があっても処分ではないのですから、その後行政不服審査法に基づく不服申立て(異議申立てや審査請求)や行政事件訴訟法に基づく抗告訴訟を行うこともできないとされています。

つまり、行政指導はそもそも処分とか強制ではなく任意的なものであるので、強制的に従うものでもない面もあります。

 

労働基準監督官を無視してもいいのか?

しかし悪質な場合、監督官は(従わない場合や、何回も繰り返す場合)、書類送検などを行うことができることを忘れてはいけません。

つまり、是正勧告自体に強制力はないけれど、法違反が明確にある場合、労基法(及び関連の周辺法)に関して監督官は司法警察官と同じ公権力を有していますので、逮捕なども可能となるということですね。

ですから、最終的に、違反であった部分は前向きに訂正していく形で従業員と民事的な話し合いである程度の落としどころで話をまとめていかなければならないということです。

結局、最後はこれにつきます。トラブルがあっても話しあいができるような職場環境を構築していくこと。

労働基準監督署の呼び出しを無視できるか?

投稿日:2014/11/06 

よく質問を受けます。会社から、労働基準監督署の調査は拒否できないのかと。

無視又はシカトですが・・・誠に残念ながら調査の拒否はできません。

調査を無視できない理由

法令上、労働基準監督署の監督官には、強制的に会社に立ち入り調査ができる強い権限が与えられています。更に悪質な場合、書類送検などをすることもできます。

労働基準法等の労働関係法律において、労基署の監督官は、部分、司法警察官やマルサと同じような職権をもっていると考えておいた方が無難です。
そもそも、労基法は刑法とイコールです。だって、罰金などの罰則がありますので。

言い方はキツイですが、あまり無視すると犯罪者になりえるということです。

 

もし社長や担当者が不在の場合、それ以上調査をするかどうかは、監督官の考えや事例の内容(証拠隠滅の恐れなど)によります。

ある程度調査には協力しつつも、会社の言い分がある場合主張するという体裁をとることをお薦めします。

(参考:労働基準法 監督官の権限一覧)
第101条(労働基準監督官の権限)
労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができる。

第104条の2(報告等)
行政官庁は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、使用者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。
2 労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、使用者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる

第120条  次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
4 第101条(~)の規定による労働基準監督官又は女性主管局長若しくはその指定する所属官吏の臨検を拒み、妨げ、若しくは忌避し、その尋問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をし、帳簿書類の提出をせず、又は虚偽の記載をした帳簿書類の提出をした者

 

労働基準監督署の権限

投稿日:2014/11/05 最終更新日:2014/11/06

労働基準監督署から通知・是正勧告があった場合、無視するとどうなるでしょうか?

例えば、警察官は犯罪者を捕まえるわけですが、刑期の長さは裁判所が決めます。
また、犯罪で損害を負ったにしても(例:窃盗や障害など)、警察官が損害賠償を請求してはくれません。

労働基準監督署も考え方は同じです。

例えば、従業員が監督署に残業代の未払いがあると申告したとします。
監督官は(程度の重さにより、会社に電話等で連絡又は会社に調査に行き)、通常是正勧告という書類を出します。

この是正勧告を無視した場合でも、労働基準監督署は未払いの残業代を会社に「むりやり払え」と強制することはできないのです。
もっと言うと、それを強制できるのは民事上の合意か、差し押さえなどの裁判所による強制手段が必要になります。

法律的に違反があるかどうかの行政指導であり、民事不介入(強制的に払わす行為)ということです。

 

ただし、是正勧告を含めて全てを無視すると、検察に送致され犯罪者になる可能性がありますし、その後マークされるのも現実的ではないと思います。

ですので、会社の主張は主張として、是正勧告にはある程度のところで応じるという姿勢が大事かと思われます。

労働基準監督署の調査で持参する書類

投稿日:2014/11/05 

労働基準監督署の調査で、通常用意して持参する書類があります。

勿論、案件にもよるので事前に持参の必要がある書類は記載してあります。

以下の書類は法律(労働基準法など)でも設置が義務付けられているものです。

労働基準監督署に提出する書類

  1. 労働者名簿
  2. 労働条件通知書(雇用契約書)
  3. 賃金台帳(給与、労働時間、出勤日数等の記載)
  4. 出勤簿かタイムカードなど出勤記録
  5. 就業規則(10人以上の事業所)
  6. 時間外労働、休日労働に関する協定届け(通称36協定サブロク協定)
  7. 1年単位の変形労働時間制の協定など(ある場合)
  8. 健康診断個人結果票(診断記録など)
  9. その他(案件に応じて)

上記の書類に関して備えていない場合、労働基準監督署から呼び出しがあった後でも仕方ないので、なるべく作成してください。

ない場合、どちらにしても是正勧告又は指導票で作成をするように指導されることになります。

上で書きましたが、上記の書類は労働基準法などの法律で備え付けが必要な書類です。

労働基準監督署は、法律違反の場合に是正指導などを行う形なので、上記の書類は少しずつでも備え付けて行くようにして下さい。

契約社員の雇止めはできるのか?

投稿日:2014/11/04 

雇止めが有効かどうかは、主に2つの段階にわけて考える必要があります。

1、労働者の雇用継続されるのではないかという期待に対して、その期待に合理性が認められるかどうか(つまり、労働者の有利な状態である、期間の定めのない契約と同視できるのかどうか)。

2、上記が認められたとして(期間の定めのない契約と同視できる状態)、解雇することが解雇権濫用となるのかどうか?

期間の定めのある契約が、期間の定めのない契約と実質的に異ならないのかどうかの判断ポイント

  1. 担当している業務の内容
  2. 契約上の地位の継続性等(臨時の仕事が恒久的なものか)
  3. 更新の回数
  4. 更新時に行っている手続きの内容(契約書、通知の時期)
  5. 勤続年数
  6. 他の従業員の手続きの取り扱いや、更新手続きの厳格性の程度
  7. 採用時の更新に対しての説明の有無・内容

これらの事情を考慮して、契約社員ではあるが既に通常の期間の定めのない正社員と同じ状態かどうか判断となります。 また、同じ状態だとして、解雇することが解雇権濫用になるのかどうかという判断です。

これらは、雇用契約時に雇用契約書をキチンと新規に作りなおして、その旨説明していること(自動更新などはしていないこと)、また契約更新をあおるかのようなことを言っていない(いつまでも働いてくれ等の期待をあおること)ことも重要です。 更新の回数などによって、更新できない(雇止めをする)合理的な理由の証明が必要になります。

契約社員の更新をしないときの問題点

投稿日:2014/10/28 

期間の定めのない雇用契約の終了は、いわゆる解雇の問題になります。契約社員の雇止めの問題は、期間の定めのある雇用契約のときに起こります。

当たり前のようですが、雇用契約の期間(契約社員)を設けることは自由です。要は1年契約であれば、1年経った時点で雇用契約は終了で何の問題もありません。

しかし、労働者が契約期間満了後も労務の提供を継続し、使用者が何らの異議を述べなかった場合、同一の契約条件で契約を更新したとみなされます。要するに会社側が何も言わずに自動更新になっているパターンです。以外に多いのではないでしょうか。

また、一番多いのが契約の更新を何回も繰り替えすことです。

そうすると、従業員に「今度も更新するだろう」という期待が生まれてきます。逆にいうと勤続年数などが正社員に近い状態になっており、当たり前に更新するのが望ましいことになります。

正社員の解雇と同等の理由が必要

裁判例では、上記のような更新が繰り返された場合、解雇の法規制を類推適用することになります。つまり、正社員の解雇と同等の理由が必要になります。

1、契約の反復更新が行われ、期間の定めのない契約と実質的に異ならなくなる~東芝柳町工場事件

2、1番の期間の定めなき契約と実質的に同視まではできないけれども、契約の反復更新が行われ、労働者の雇用継続への合理的期待がみてとれる~日立メディコ事件

3、実際に契約の更新が行われたか否かに関わらず、契約が更新されることを前提に契約が締結された場合~龍神タクシー事件

 

1~3に関しては、解雇権濫用法理が類推適用されます。

1に間しては、通常の正社員の解雇と同様で見られ、2、3に関しては、従業員の雇用継続への合理的期待のレベルに応じて、雇止めの有効性が判断されます。反復更新の回数や、職務の内容等に応じての総合判断となります。

ちなみに、契約の途中での解約(1年契約を半年で雇止めする場合)は、解雇となります。雇止めではありません。実際のところ、本来は契約期間の途中で解雇にしたいところを、満了まで待って次回の契約を結ばないということが多いでしょうね。この場合雇止めが相当かと検討する必要があります。

まとめ

契約社員という形態は当然問題ないのですが、契約の更新を3回、4回と繰り返していくと、期間の定めのない契約と同視されたり、契約更新の期待度に応じて雇止めはしずらくなりますし、解雇同等もみなされたりします。

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